不義理の日
英国のBBC放送がこう報じたことがある。「英国国会議事堂の大時計がデジタル化されることいないました。長針と短針が不要となります。聞いてくださっている人に進呈したいので希望者は申し込まれたし...」。 日本語放送だった。国際放送を聴いている人は多い。日本から申し込みが殺到した。だが残念、エープリルフールとわかった。
四月一日に罪のない冗談で人を担ぐ。欧米で盛んだが、インドに発する風習との説もある。いわゆる四月馬鹿。中国から日本に伝わった江戸時代の呼び名が面白い。「不義理に日」といった。
四角四面の毎日、たまには不義理、不真面目もよかろう、との趣旨だろうが、根っから緊張好きな人々の国なのだろうか、あまりはやらない。いや、日常の政治で、うそは十分だという人もいるかも知れぬ。欧米では、この日、報道機関まで冗談や虚報をさりげなく報じるから油断がならない。
大企業の合併。有名人の恋。もっともらしいが、想像力と遊び心の産物だ。「紙面の日 付をご覧ください」と何気なく記してあって、それと知れる。
やはりBBCの日本語放送が「このほどコマーシャルをいれることになりました」と放送したことがあった。「関心のある企業はどうぞ」。つい、引っかかる企業が出る。
ところでBBCといえば、その日本語放送は歴史が古く、にんきが高かった。それが三月に廃止となった。毎日聞いている人が十年前の約半数、二十万人ほどに減った、という理由らしい。戦時中の1943年(昭和18年)に対日宣伝放送として始まったものだ。
同様に、ラジオ・カナダ・インターナショナルの日本語放送が、先月、廃止された。存続を願った人々の夢も潰えた。経済削減が理由だ。これも時代だろうか。さびしく思う人が多いに違いない。
何?いや、すべて本当の話である。
1991.4.1
愚人节
英国广播公司曾这样报道,英国国会大厦的大钟将要换成数码钟,长针、短针都不要了,现准备(把这两支针)送给正在收听广播的人,需要者请申请。 广播用的是日语,听国际广播的人很多,从日本来的申请纷至沓来。但遗憾的是,这是“四月愚人节“的一个节目。 四月一日开玩笑耍弄一下人是没有罪的。据说这个节日盛行于欧美,但也有起源于印度之风俗的说法。这就是所谓的“四月愚人节”。在江户时代从中国传到日本的叫法很有意思,叫“不义理之日”。(不合情理的节日) 每天过的一本正经,偶尔也闹一闹,这未尝不可,但对于本来就喜欢(气氛)紧张的那些国家的人来说,他们一般不这样做,也许有人会这样说,在日常生活中,谎言已经够多的了,在这一天,欧美的新闻媒体坦然自若地报道一些含玩笑成分的,甚至虚假的消息,大家不能信以为真。 大企业合并,名人恋情,这些报道看上去像是那么一回事,但实际上是想象力和“闹剧”(玩心)的产物。在这些文章中无意写道:“请看报纸的日期”,所以(只要注意一下)就知道怎么回事了。 BBC的日语广播节目曾经播过:“最近我们要办广告节目”“感兴趣的企业,请(申请)。”(结果),无意之中就有企业上当了。 顺便说一下,BBC的日语广播历史很悠久,人气很旺,但三月就停播了,理由好像是现在每天收听广播的人已减少到10年前的一半,约20万人,对日宣传广播开始于战争期间的1943年。 同样,加拿大国际广播电台的日语广播已在上个月停播了,这是忠实的听众感到失望,理由是削减经费,这也许是时代的变迁吧。可以肯定很多听众都会为此感到遗憾。 什么?(是看玩笑吗?)不,上面讲的话都是真的。 1991.4.1